交通事故の雑費って、どんなものがあるの?
どんな雑費が損害として認められるの?
この記事は、このような疑問をお持ちの方のために書きました。
こんにちは!静岡の弁護士の山形です。
今回は、初めて交通事故にあってしまった人のために「雑費のポイント」について解説しています。
入院雑費、文書料など、交通事故の関係で負担した雑費について分かりやすく解説していますので、参考にしてみてください。
目次
雑費って何?
加害者や保険会社に請求できる「雑費」というのは、交通事故に遭わなければ必要なかった諸費用のことです。
例えば、交通事故に遭って入院した場合、病衣代、タオル代等の入院雑費が発生します。
そこで、通常、入院雑費については、日額1500円で計算して請求することになります。
日額1500円以上の入院雑費が認められた裁判例もありますが、レアケースなので、基本的には、日額1500円と考えてください。
そのため、お見舞いに来てくれた方へのお茶代や退院後煮用意した菓子折などは、別途、損害としては認められません。
ちなみに、自賠責基準では、日額1100円で計算されます。
示談交渉や裁判で使う証拠の取得費用
示談交渉や裁判で使う証拠の取得費用については、認められるものと認められないものがありますので、1つずつ見ていきましょう。
文書料(医療関係)
警察に提出するための診断書、後遺障害診断書や後遺障害等級の申請に必要となる検査画像のコピー代などは文書料として認められる傾向にあります。
なお、通常、診断書やレセプト(診療報酬明細書)の発行手数料は、雑費ではなく、治療関係費として請求することになります。
刑事事件記録
交渉や裁判では、過失割合の検討などのため、刑事事件記録を取り寄せることがありますが、その取得費用については、損害として認められる傾向にあります。
鑑定書作成料
交通事故の裁判では、事故状況(車の速度など)や被害者の後遺障害の有無などについて証明するために、私的な工学鑑定や医学鑑定を行って、証拠とすることがあります。
これらの費用は最低数十万円と高額になりますが、損害としては認められないことが多いので、注意が必要です。
入院中の個室費用
入院中の個室費用については、基本的には難しいです。
例えば、怪我が重篤であるとか、空き部屋がなくてやむを得なかったなど、個室を利用する必要性があり、かつ、そのことが医師の意見書などで裏付けられているなど、個室利用の必要性が認められる場合には、個室利用料が損害として認められることがあります。
自分の保険会社に提出する診断書の発行手数料
自分が加入している保険会社から保険金をもらうために、必要書類として、診断書等を用意することがあります。
しかし、これらの取得費用については、通常、損害としては認められませんので注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、雑費について解説しました。
雑費についても、保険会社に請求し忘れないように注意しましょう。