新車のレクサスが追突された・・・
保険会社が修理費用しか支払わない。評価損を支払って欲しい!

この記事は、このような状況でお困りの方のために書きました。

こんにちは!弁護士の山形です。
今回は、レクサスの評価損に関する裁判例について解説しています。
過去の裁判例を参考に、評価損がどのくらい認定されるのか見てみましょう。

静岡城南法律事務所

弁護士 山形祐生(やまがたゆうき)

静岡県弁護士会所属 登録番号:44537

静岡県交通事故相談所の顧問弁護士(静岡県知事の委嘱による)。
日本交通法学会に所属し、交通事故に関する最新の裁判例等の研究をしている。静岡県外からの相談・依頼も多く、単独で年間に100件以上の交通事故案件を手掛けている。保険会社との交渉を得意とする。案件としては、過失割合、慰謝料、後遺障害、死亡事故に関するものが多い。

目次

レクサスの評価損

買ったばかりの新車が事故にあったら悔しいですよね。
保険会社は、修理費用は負担してくれますが、それだけでは、あなたの気持ちは、収まらないかと思います。
修理をしても、事故歴があることで、下取り価格が下がってしまうことがあるからですね。

このような事故当時の車の価格と修理後の車の価格との差額を「評価損」といいます。

そこで、あなたは、修理費用に加えて、評価損を保険会社に請求することを検討するべきです。

ところで、評価損の算定方法は、色々とありますが、裁判では、修理費用を基準に、その何割という感じで、評価損を算定することが多いです。
算定する際には、車の破損状況(骨格部分への損傷はないか、修理で完全に直ったのかなど)、初年度登録からの期間、走行距離などの事情が考慮されます。

そこで、これから紹介する実際の裁判例では、これらの事情にも注目してみてください。

 

レクサスの評価損に関する裁判例

名古屋地裁・平成31年3月6日判決

車名:レクサス・CT200hバージョンC
初年度登録からの期間:2年7ヶ月
走行距離:8619km
修理費用:47万9574円
評価損:0円
【特記事項】
・損傷は、右フロントドア及び右リアドアを中心とするものであり、車体の骨格部分に波及しているとまでは認められない。
【コメント】
初年度登録からの期間が若干経っているものの、走行距離は比較的少ないのですが、評価損は否定されています。ちょっと厳しい判決ですね。走行距離だけ短くても、裁判所の認定は厳しいのかもしれません。

東京地裁・平成29年11月28日判決

車名:レクサスLS600hバージョンC・Iパック
初年度登録からの期間:1年11ヶ月
走行距離:2万8947km
修理費用:201万3702円
評価損:104万円
【特記事項】
・レッドブックの時価額と事故後の売却価格の差額を評価損として認定。
【コメント】
売却価格を事故後の車の時価として認定している珍しいケースです。結果として、修理費用の約50%にあたる高額な評価損が認定されいます。

大阪地裁・平成28年3月8日判決

車名:レクサス ※詳細不明
初年度登録からの期間:9ヶ月
走行距離:6717km
修理費用:63万1595円

評価損:15万7000円(修理費用の約25%)

横浜地裁・平成24年8月31日判決

車名:レクサス ※詳細不明
初年度登録からの期間:2年1ヶ月
走行距離:約8000km
修理費用:49万4109円
評価損:15万円(修理費用の約30%)
【特記事項】

ピラーの損傷あり。

大阪地裁・平成24年10月16日判決

車名:レクサスLSセダンUSF40
初年度登録からの期間:約5ヶ月
走行距離:約9099km
修理費用:102万1314円
評価損:40万8525円(修理費用の40%)

横浜地裁・平成23年11月30日

車名:レクサスLS460
【裁判所の判断】
評価損は、事故による修理後の車両の評価額と事故前の車両の評価額を比べたときの下落額によるのではなく、修理費用に一定額を乗じて算定されることが多いが、そのようにして算定されるのは、被害者が修理後もその車両を使用し続けることが想定されているため、上記下落額が事故の時点では現実化していないからであると解される。これに対し、事故の時点で価格の下落が現実化しているのであれば、その賠償を認めるのが、事故がなかった状態を回復するという損害賠償の本旨にかなうものであり、被害者に不当な利得を得させることにもならないから、その賠償を認めるべきであると解される。
【コメント】
本件は、以下のようの特徴があり、一般的な修理費用の何割というような算定方法を用いることなく、事故の時点で現実化している損害を認定しています。
・被害者は、レクサスオーナーズローン制度(※)を利用し、車両の返却を選択していた。
※レクサスオーナーズローンでは,割賦払いの最終回の時点において残存するであろう車両価格を最終回の支払分としているため,車両返却を選択した場合には,最終回の支払は不要となる。
・被害者は、車両の返却時に、レクサス車相場情報センターの査定結果に基づいて、事故前の時価額と事故車両の時価額との差額140万6000円を負担する必要がある。

裁判例を踏まえた検討

レクサスについても、他のいわゆる高級車と同じく、以下のような傾向があるようです。

  • 修理費に対して10%から30%の範囲で評価損を認めるケースが多い。
  • 新車同然の新しい車の場合には、評価損が認められやすい。
  • 初年度登録からの期間が長かったり(例えば2年以上)、走行距離が長い(例えば3万km以上)車については、評価損が認められないことが多い。
  • レクサスオーナーズローン制度を利用して、車両の返却を選択している場合には、返却時の負担額が評価損とされる可能性がある。

したがって、これらの裁判例の傾向を踏まえたうえで、評価損について保険会社に請求することをオススメします。

レクサスの評価損に関する無料相談

いかがでしたか?
今回は、レクサスの評価損について裁判例を紹介しました。
現在、本解説を執筆した山形弁護士による無料相談を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

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相談料と着手金は無料です。
弁護士費用は、交渉等が解決した後の完全後払いになります。
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ところで、「弁護士費用特約」というものをご存じでしょうか?
自動車保険などに付帯している特約のことで、弁護士に依頼する際の弁護士費用を補償してくれます。

弁護士費用特約を使える場合には、補償上限額まで保険会社が弁護士費用を代わりに支払ってくれますので、ほとんどのケースで実質無料で交渉や裁判等を弁護士に依頼できます。

弁護士費用特約を利用しても、保険料は変わりませんので、可能な場合には利用することをお勧めします。

「弁護士費用特約を使えるか分からない」という場合には、弁護士が代わりに保険会社に確認することもできますので、お気軽にご相談ください。

よくある質問

Q静岡県以外の地域に住んでいるのですが、静岡県以外の地域からの相談・依頼は可能ですか?
A

静岡県以外の方からのご相談・ご依頼もお受けしております。
これまで、北海道、青森、福島、福井、東京、群馬、栃木、千葉、神奈川、愛知、長野、岐阜、滋賀、三重、奈良、兵庫、広島、島根、沖縄にお住まいの方からご依頼・ご相談いただいた実績がありますので(令和4年4月現在)、その他地域にお住まいの方もお気軽にご相談・ご依頼ください。

Qケガはなく、物損(車の修理費用など)の過失割合だけが問題になっているのですが、相談・依頼することはできますか?
A

物損だけの事故についてもご相談・ご依頼いただくことは可能ですが、弁護士費用特約のご利用が条件となります。

Q小さな事故で、特に保険会社との間で揉めていないのですが、弁護士に相談しても良いですか?
A

もちろん、問題ありません。
 弁護士に依頼することで、小さなケガであっても示談金額が増額される可能性がありますし、保険会社との対応を全てお任せできるというメリットがありますのでお気軽にご相談ください。

Q他の弁護士に依頼しているのですが、変更して依頼はできますか?
A

現在、依頼している弁護士との契約を解除していただいたうえで、ご依頼いただくことになります。また、弁護士費用特約を利用している場合には、ご自身の保険会社に担当弁護士を変更したい旨を伝えて了承を得てください。現在、依頼している弁護士に変更を申し出づらい場合には、ご相談ください。

Q弁護士費用で費用倒れ(赤字)になることはありませんか?
A

ご相談内容を詳しく伺ったうえで、もし、少しでも費用倒れの可能性がある場合には、必ずご依頼前にご説明させていただきます。万が一、増額した金額よりも弁護士費用が高額となる場合は、増額した金額が弁護士費用の上限となりますので、損をすることはありません。
 なお、弁護士費用特約をご利用の場合は、費用倒れになることはありません。

Qどの段階から費用が発生しますか?
A

相談では一切費用は発生しません。弁護士との間で委任契約書を作成して、正式にご依頼いただいて、弁護士が交渉等の活動を開始した段階から費用が発生致します。
※弁護士費用特約をご利用の場合には、相談料を保険会社にご請求させていただきます。

Q日中は仕事で忙しいので、弁護士事務所に行ったり、電話をしたりすることが難しいのですが・・・
A

夜間や土日祝日に打ち合わせをするこも可能ですし、ご依頼後の弁護士との連絡手段をメールやLINEにすることも可能です。
なお、裁判をせずに示談交渉で解決する場合、ほとんどのケースで、依頼後に事務所での打ち合わせをすることなく終了しています。

Q裁判まではしたくないのですが、交渉で示談することは可能ですか?
A

裁判まで行うか、交渉で示談をして終わらせるかは、依頼者の方が決めることになりますので、交渉での解説を希望される場合には、裁判にはなりません。なお、私がこれまで扱ったケースでは、8割ほどが交渉で解決しています。

Q解決までには、どれくらいの時間が掛かりますか?
A

事案にもよりますが、交渉の場合、治療が終わってから1~2ヶ月程度で示談して終わるケースが多いです。物損のみの場合は、交渉開始から1ヶ月程度のケースが多いです。ただし、後遺障害の申請をしたり、過失割合に争いがあって実況見分調書等を取り寄せる場合には、プラス2、3月程度かかります。
また、裁判の場合は、早くても半年程度は掛かります。私が過去に扱った裁判では、1年~2年で終わるケースが多いです。

Q弁護士に相談したら必ず依頼しなければいけないのでしょうか?
A

もちろん、相談だけで依頼しなくても問題ありません。むしろ、複数の弁護士に会って相談したうえで、最も信頼できる弁護士に依頼することをお勧めします。

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弁護士 山形祐生(やまがたゆうき)

静岡県弁護士会所属 登録番号:44537

静岡県交通事故相談所の顧問弁護士(静岡県知事の委嘱による)。
日本交通法学会に所属し、交通事故に関する最新の裁判例等の研究をしている。静岡県外からの相談・依頼も多く、単独で年間に100件以上の交通事故案件を手掛けている。保険会社との交渉を得意とする。案件としては、過失割合、慰謝料、後遺障害、死亡事故に関するものが多い。

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