「弁護士に依頼するメリット・デメリットは?」
「弁護士に依頼しない方が良い場合もあるの?」
この記事は、そんな疑問をお持ちの方のために書いています。
こんにちは。弁護士の山形です。
この記事では、「交通事故の交渉を弁護士に依頼するメリット・デメリット」や「弁護士に依頼した方が良いケースと依頼しない方が良いケース」などについて、解説しています。
これから弁護士への依頼を検討しているという方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
弁護士に交通事故の示談交渉を依頼するデメリット
弁護士に依頼する場合の主なデメリットは、以下の2つです。
- 弁護士費用が掛かる
- 時間が掛かる場合がある
順番に説明していきますね。
弁護士費用が掛かる
弁護士に交渉や裁判を依頼する場合、もちろん、弁護士費用が掛かります。
しかも、結構な額が掛かります。
そのため、特に、保険会社に請求する金額が少ない場合には、弁護士に依頼して赤字にならないように注意する必要があります。
ただ、もし、弁護士費用特約という保険を利用できる場合には、弁護士費用が保険会社から支払われることになるので、このデメリットはなくなります。
弁護士費用特約のことを、よく知らないという方は、以下の記事も読んでみてください。
時間が掛かる
弁護士に依頼する場合のデメリットの2つめは、解決までに時間が掛かるということです。
つまり、弁護士が保険会社と交渉することで、その分、時間が掛かることになります。
ただ、あなたが弁護士に依頼せずに自分で交渉する場合も同じように時間は掛かりますから、正確には、元々、交渉をするつもりがない人にとってのデメリットといえます。
弁護士に交渉や裁判を依頼した場合の流れや解決までの時間の目安については、以下の記事でも詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
弁護士に交通事故の交渉を依頼するメリット
弁護士に交渉を依頼する場合の主なメリットは、以下の2つです。
1 保険会社から支払われる慰謝料などが増える可能性が高い
2 保険会社との面倒な連絡・交渉を弁護士にお任せできる
保険会社から支払われる金額が増える可能性が高い
弁護士に依頼すれば、保険会社から支払われる慰謝料などの金額が増えるケースがほとんどです。
もし、あなたが自分で保険会社と交渉した場合、保険会社は、慰謝料などについて低い金額しか支払おうとしません。
保険会社は、自分達で決めた基準に基づいて慰謝料などを計算しているからです。
保険会社が使う基準のことを「任意保険基準」といいますが、弁護士が交渉や裁判などで主張する「弁護士基準」よりも、とても低い基準です。
「じゃあ、私も弁護士基準で交渉できないの?」
と思うかもしれませんが、なかなか難しいと思います。
保険会社の立場からみると、あなたが自分で交渉しているのであれば、「裁判まではしてこないだろうから、低い金額でも示談してくれるだろう。」と考えるわけです。
(もちろん、弁護士に依頼しなくても、自分で裁判をすることもできますが、かなり大変だと思います。)
一方、弁護士であれば、「交渉が決裂した場合には、裁判までするぞ!」というカードを持って交渉をすることができます。
保険会社としても、弁護士費用の掛かる裁判はできれば避けたいところです。
そのため、保険会社も、ある程度は、譲歩することになるのです。
実際、弁護士に依頼した場合に、どのくらい慰謝料等の金額が増えるのかという点については、私のプロフィールページで、過去のケースを紹介しているので、参考にしてみてください。
保険会社との面倒な連絡・交渉を弁護士にお任せできる
弁護士に交渉を依頼すると、保険会社からの連絡は全て弁護士が対応することになります。
保険会社としては、早く治療を終えて欲しいので、被害者に対して、心ない言葉を掛けてくることもあります。
そのため、保険会社の担当者との電話が、強いストレスになるという方も多くいらっしゃいます。
弁護士に交渉を依頼すると、こういった保険会社の担当者とのやりとりを弁護士に任せることができます。
弁護士に依頼しない方が良いケース
では、弁護士に依頼するメリット・デメリットを踏まえて、「弁護士に依頼しない方が良いケース」について説明していきます。
弁護士に依頼しない方が良いケースについて弁護士自身が説明することは、あまり無いかもしれませんが、ここでは、本音も交えてお伝えします。
とにかく早く終わらせたい場合
もし、あなたが「保険会社から支払われるお金は、少なくても良いから、とにかく早く終わらせたい」ということであれば、保険会社から言われた金額で示談しても良いでしょう。それが、一番早いからです。
ただ、先ほども説明したとおり、保険会社が提示する金額は、本来の基準よりも、かなり低いケースがほとんどです。
そのため、お勧めはできませんが、「それでも構わないから、とにかく早く終わらせたい」ということであれば、弁護士に依頼しなくても良いでしょう。
保険会社から支払われる金額の見込みが小さい場合
一般的に、弁護士費用について、最低でも10万円程度は掛かることが多いです。
ですから、10万円よりも小さい金額を保険会社に請求する場合には、仮に全額回収できたとしても赤字になってしまいます。
そのため、保険会社から支払われる金額の見込みが小さいケースでは、費用倒れになる可能性がありますから、依頼しない方が良い場合があります。
ただ、弁護士費用特約という保険を利用できるのであれば、実質的な費用を0円で弁護士に依頼することが可能となりますから、費用倒れを気にする必要はなくなります。
そのため、弁護士費用特約を利用できるのであれば、弁護士に依頼して問題ありません。
弁護士に依頼した方が良いケース
では、次に、弁護士に依頼した方が良いケースについて説明します。
弁護士費用特約を利用できる場合
弁護士費用特約に加入にしている場合は、先ほど説明したとおり、弁護士費用が掛かるというデメリットがなくなります。
また、弁護士費用特約を利用したとしても、保険料が上がるなどのデメリットもありません。
そのため、とにかく早い解決を望んでいるというような事情がない限りは、弁護士に依頼することを強くオススメします。
事故でケガをした場合
何ヶ月も通院をするようなケガをした場合、弁護士が適切な交渉をすることによって、保険会社から支払われる慰謝料などの金額が大きく変わる可能性が高いです。
特に、後遺障害が残るような大ケガをした場合には、後遺障害の申請手続をしたり、慰謝料などを適正に評価してもらうために、弁護士に依頼することを強くオススメします。
後遺障害については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
ご家族が事故で亡くなられた場合
ご家族を交通事故で亡くされた場合、ご遺族の方は、保険会社と交渉するだけではなく、相続の問題や、刑事事件の被害者遺族としての対応も検討しなければなりません。
また、死亡事故の場合、賠償額が高額になる傾向があるため、保険会社の対応も厳しくなることが多くあります。
事故状況について、加害者が一方的な言い分を展開し、過失割合が争いになるケースも少なくありません。
そのため、ご家族を交通事故で亡くされた場合には、その負担を考えると、弁護士に相談・依頼した方が良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、弁護士に交通事故の依頼をする場合のメリット・デメリットなどについて解説しました。
まずは、弁護士費用特約を利用できるか確認してみて、利用できるということであれば、弁護士に依頼することをオススメします。
もし、弁護士費用特約を利用できない場合には、弁護士に依頼した場合の費用対効果を弁護士に相談してみましょう。
弁護士に依頼しようかどうか迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。