
「弁護士費用特約って何?」
「私も弁護士費用特約を使えるの?」
この記事は、そんな疑問をお持ちの方のために書きました。
こんにちは。弁護士の山形です。
この記事では、弁護士費用特約のポイントや、あなたが弁護士費用特約を使えるかどうか確認する方法などについて、分かりやすく説明しています。
せっかく使える弁護士費用特約を使わないのは、もったいないです。
これから弁護士に交通事故を相談しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
本記事を執筆した弁護士
目次
この記事の結論
- Q1. 弁護士費用特約とは何か?どんなメリットがあるか?
- A1. 自動車保険や火災保険に付いている特約の一つで、交通事故の相談・交渉・裁判などの弁護士費用の全部または一部を保険会社が被害者に代わって支払ってくれる仕組み。多くの保険会社では弁護士費用の限度額は300万円、法律相談費用は10万円までと設定されており、ほとんどのケースで実質無料で弁護士に相談・依頼できる。弁護士費用特約を利用しても自動車保険の等級は下がらず、翌年の保険料も上がらない。
- Q2. 家族の弁護士費用特約を自分の事故で使えるのか?
- A2. 使える場合がある。具体的には:①配偶者(妻・夫)は同居・別居を問わず利用可能(単身赴任中の夫の特約を妻が使えるなど)。②子どもは同居していれば利用可能、別居していても未婚であれば利用可能。③その他の家族(両親、兄弟、義両親、甥姪など)は、同居していれば利用できる場合が多い。保険会社によって条件が異なるので、必ず事前に確認が必要。
- Q3. 弁護士費用特約を使うとき、依頼する弁護士は保険会社指定の弁護士になるのか?
- A3. ならない。弁護士は自由に選べる。被害者が依頼したいと思った弁護士を指名して弁護士費用特約を使うことが可能。保険会社から特定の弁護士を紹介されることもあるが、強制力はなく、被害者が別の弁護士を選ぶことができる。自動車保険加入者の約6割が弁護士費用特約に加入しているとされている(SOMPO「おとなの自動車保険」2024年3月時点で56.9%)が、加入したことを忘れている方も多い。
- Q4. 弁護士費用特約を利用するための具体的な手順は?
- A4. ①加入している保険会社に電話する、②弁護士費用特約を利用したいことを伝えて保険会社の了承を得る、③弁護士に相談・依頼する、という流れ。後は弁護士が保険会社と費用の精算を進めてくれるので、被害者が弁護士費用を立て替える必要はない(一部、着手金等の先払いが必要なケースもあるため、依頼前に弁護士に確認を)。既に弁護士に依頼していた場合でも、後から弁護士費用特約を利用できることがあるため、保険会社への確認を必ず行うこと。
交通事故で使える弁護士費用特約の4つのポイント
ポイント1:交渉や裁判を依頼するときの弁護士費用を保険会社が負担
「弁護士費用特約」というのは、自動車保険や火災保険などの保険に付いている特約の一つです。保険会社によっては、正式名称が「弁護士費用補償特約」「弁護士費用担保特約」となっていることもありますが、気にしなくてOKです。普段、弁護士や保険会社は、「べんとく」と呼んでいます。
この特約を利用すれば、交通事故の相談や交渉・裁判などの弁護士費用の全部または一部を保険会社があなたに代わって支払ってくれます。
限度額については、弁護士費用は1人あたり300万円、法律相談費用は10万円というのが多くの保険会社で共通する設定で、かなり高額です。そのため、ほとんどのケースで、実質無料で弁護士に相談や依頼ができると考えて良いでしょう。ですから、もし、あなたが弁護士費用特約を利用できるのであれば、絶対に利用した方が得です。
なお、弁護士費用特約を利用しても自動車保険の等級は下がらず、翌年の保険料も上がりません(事故の種類によって等級は別途決まりますが、弁護士費用特約の利用自体は等級に影響しません)。金銭面のデメリットは一切ない仕組みになっています。
弁護士費用特約を利用しないで弁護士に依頼する場合の費用の相場などについては、以下の記事を参考にしてみてください。
ポイント2:加入者の家族も利用できるケースがある
事故にあった本人が弁護士費用特約に加入していなくても、家族が加入していれば、特約を利用できることがあります。以下、具体例について説明します。
※保険会社によって条件が異なる場合がありますので、必ず、保険会社に確認するようにしてください。
まず、弁護士費用特約に加入している人の配偶者(妻や夫)が事故にあった場合、同居しているか否かにかかわらず弁護士費用特約を利用できます。例えば、夫が単身赴任中であったとしても、妻は夫の弁護士費用特約を利用できます。
弁護士費用特約に加入している人の子どもは、同居しているか、別居していても未婚であれば、親の弁護士費用特約を利用することができます。大学進学で一人暮らしをしている子どもが事故に遭った場合でも、未婚であれば親の特約を使えるということです。
その他、同居している家族(両親、兄弟、義両親、甥姪など)であれば利用できる場合があります。同居の定義は保険会社によって微妙に異なるので、二世帯住宅や同居でも完全に生活が分離されているケースなどは事前確認が必要です。
以上のとおり、弁護士費用特約を利用できるケースは多くありますので、家族が事故にあった場合には、自分自身の保険だけでなく、家族の保険にも弁護士費用特約が付いていないか確認してみることをオススメします。
ポイント3:依頼する弁護士は自由に選べる
弁護士費用特約を利用して弁護士に相談や依頼をする場合、その弁護士は自由に選ぶことができます。そのため、あなたが依頼したいと思った弁護士を指名して弁護士費用特約を利用することができます。
保険会社から「うちの顧問弁護士を紹介します」などと特定の弁護士を勧められることもありますが、それに従う義務はありません。「この弁護士事務所に依頼したい」と希望を伝えれば、基本的には受け入れられます。もし保険会社が難色を示すようなことがあれば、それ自体が弁護士費用特約の約款違反の可能性もあるので、弁護士に相談してみてください。
弁護士の選び方については、以下の記事も参考にしてみてください。
交通事故の弁護士選びで失敗しない3つのポイント|静岡の弁護士が解説
ポイント4:加入していることを忘れてしまっている人が多い
弁護士費用特約は、自動車保険に加入している人の約6割が付けているといわれています(SOMPO「おとなの自動車保険」では2024年3月時点で56.9%が加入)。ちなみに、弁護士である私も、自動車保険に弁護士費用特約を付けています。
しかし、保険料が月に数百円程度と安いこともあって、弁護士費用特約を付けたことを忘れてしまっている人も多くいます。弁護士費用特約を使えるのに使い忘れるなんて、もったいないです。
もし、自分や家族が交通事故に遭った場合には、必ず、弁護士費用特約を利用できるかどうか確認するようにしてください。
弁護士費用特約を利用できるか確認する方法
次に、あなたが弁護士費用特約を利用できるかどうか、確認する方法について説明します。
方法1:保険証券を確認
一番簡単な方法として、保険証券で確認することができます。通常、保険証券に特約が記載された欄がありますので、そこに弁護士費用特約の加入状況が記載されています。
なお、近年は保険証券を紙で発行せず、WEBで確認する形になっている保険会社も増えています。その場合は、保険会社のマイページにログインして契約内容を確認してください。
方法2:保険会社に電話で確認
保険会社に電話して確認することもできます。保険会社の連絡先は、保険証券やホームページに記載されています。すでに、事故にあった際に保険会社に連絡しているのであれば、その担当の方に電話して、弁護士費用特約を利用できるか確認してみてください。
保険会社の方から弁護士費用特約を利用できることを積極的に教えてくれるとは限りませんので、自分から確認することが大切です。これは、保険会社の担当者が特約の存在を伝えるインセンティブを必ずしも持たないため(利用されると保険会社は弁護士費用を負担しなければならないため)です。
方法3:弁護士から保険会社に確認
弁護士から保険会社に確認してもらうこともできます。
保険会社からは利用できないと説明されたけれども、後から弁護士がよくよく確認してみたら利用できたというケースもありますので、微妙なケースでは、弁護士から保険会社に確認してもらうようにしてください。約款の文言を法的な観点から読み解くと、使えるケースが見えてくることがあります。
ちなみに、交通事故案件に慣れた弁護士であれば、最初の相談時点で、弁護士の方から弁護士費用特約の有無を確認してくれると思います。
弁護士費用特約を利用して弁護士に相談・依頼するまでの流れ
具体的に、弁護士費用特約を利用するための手順は、以下のとおりです。
手順① 加入している保険会社に電話する。
手順② 弁護士費用特約を利用したいことを伝えて保険会社の了承を得る。
手順③ 弁護士に相談・依頼する。後は、弁護士が保険会社と進めてくれます。
もし、既に弁護士に依頼していたとしても、後から弁護士費用特約を利用できる場合もありますので、弁護士から保険会社に連絡してもらうなどして、必ず確認してください。
なお、弁護士費用特約を利用する場合、保険会社の支払基準として「LAC基準」(日弁連リーガル・アクセス・センター基準)が使われることが多く、弁護士費用はこの基準に沿って保険会社から弁護士に支払われるのが一般的です。LAC基準により、被害者側と弁護士の間での費用のやり取りがシンプルになります。
弁護士費用特約の注意点
最後に、弁護士費用特約を利用する際の注意点をいくつか挙げておきます。
注意点1:事故後に加入しても使えない
弁護士費用特約は、事故発生時にすでに契約していないと利用できません。事故後に加入しても、その事故には遡って使えないので、普段から加入しておくことが重要です。
注意点2:複数の保険で重複加入していても上限額は合算されない
自動車保険、火災保険、日常生活賠償特約付きの保険など、複数の保険に弁護士費用特約が付帯していても、同じ事故について利用できる上限額は原則として合算されません(別々の事故であればそれぞれ使えます)。重複契約とならないよう、契約前に確認しましょう。
注意点3:利用できないケースもある
弁護士費用特約は、飲酒運転、無免許運転、故意の事故など、被害者側に重大な問題がある場合には利用できないことがあります。また、自分が運転していた車に搭乗していた同乗者同士の事故(例:夫の運転する車の助手席に乗っていた妻が負傷)については、加害者・被害者が親族関係にあると利用できないケースがあります(約款ごとに異なる)。
まとめ:まずは弁護士費用特約の確認を
今回は、弁護士費用特約のポイントと弁護士費用特約を利用できるか確認する方法についてご紹介しました。
弁護士費用特約は、交通事故に遭った被害者にとって極めて強力な味方となる保険です。ほとんどのケースで実質無料で弁護士に依頼できるため、加入しているなら使わない手はありません。
これから弁護士に相談するという方は、まずは、弁護士費用特約を利用できないか、ご自身の保険・ご家族の保険の両方について保険会社などに確認してみてください。
当事務所では、弁護士費用特約の利用可否についても無料で相談に応じており、保険会社に対する確認も弁護士から行うことが可能です。「特約が使えるか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
関連記事も参考にしてください。
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弁護士費用
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相談料と着手金は無料です。
交渉等が解決した後の完全後払いになります。
※訴訟等の手続に移行する場合には追加費用が発生します。
弁護士費用特約を使える場合には、補償上限額まで保険会社が弁護士費用を代わりに支払ってくれますので、ほとんどのケースで実質無料で交渉や裁判等を弁護士に依頼できます。
弁護士費用特約を利用しても、保険料は変わりませんので、可能な場合には利用することをお勧めします。
「弁護士費用特約を使えるか分からない」という場合には、弁護士が代わりに保険会社に確認することもできますので、お気軽にご相談ください。
保険代理店様からのご相談
当事務所では、交通事故被害者の方からだけではなく、保険代理店様からのご相談についても無料で対応しています。
これまでも全国の保険代理店様からご相談いただいた実績があります。
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Q小さな事故で、特に保険会社との間で揉めていないのですが、弁護士に相談しても良いですか?
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Q弁護士費用で費用倒れ(赤字)になることはありませんか?
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Q解決までには、どれくらいの時間が掛かりますか?
事案にもよりますが、交渉の場合、交渉開始から1ヶ月程度で示談して終わるケースが多いです。ただし、後遺障害の申請をしたり、過失割合に争いがあって実況見分調書等を取り寄せる場合には、プラス2、3月程度かかります。
また、裁判の場合は、早くても半年程度は掛かります。当事務所が過去に扱った裁判では、平均すると1年~2年で終わるケースが多いです。
Q弁護士に相談したら必ず依頼しなければいけないのでしょうか?
もちろん、相談だけで依頼しなくても問題ありません。むしろ、複数の弁護士に会って相談したうえで、最も信頼できる弁護士に依頼することをお勧めします。




