事故直後は痛みがなかったので、物損事故扱いになってしまっているけど、痛みが出てきた・・・
警察や加害者から人身扱いしないように求められている・・・

この記事は、このような状況で困っている方のために書きました。

こんにちは!弁護士の山形です。
今回は、物損事故から人身事故への切替について解説しています。
警察には、物損事故として申告したけど、やっぱり人身事故への切替をしようか迷っている方は、是非、参考にしてみてください。

静岡城南法律事務所

弁護士 山形祐生(やまがたゆうき)

静岡県弁護士会所属 登録番号:44537

静岡県交通事故相談所の顧問弁護士(静岡県知事の委嘱による)。
日本交通法学会に所属し、交通事故に関する最新の裁判例等の研究をしている。静岡県外からの相談・依頼も多く、単独で年間に100件以上の交通事故案件を手掛けている。保険会社との交渉を得意とする。案件としては、過失割合、慰謝料、後遺障害、死亡事故に関するものが多い。

目次

物損事故と人身事故

物損事故と人身事故の違い

物損事故というのは、車や物が破損した事故のことです。
人身事故というのは、被害者の方がケガをしたり、亡くなってしまった事故のことをいいます。

ケガをしたら人身事故で届出を!

もし、あなたが事故にあって、ケガをしてしまったのであれば、必ず人身事故として届出をするようにしましょう。

なぜなら、まず、物損事故の場合、基本的には慰謝料は発生しません。
つまり、請求できる損害が限られてしまいます。

また、自賠責保険は、人身事故のみを補償の対象としていますので、自賠責保険から賠償金を受け取ることはできません。

さらに、物損事故の場合、実況見分調書が作成されません。
実況見分調書は、事故当事者で事故状況について争いになった場合に、事故状況を証明する重要な証拠となり得ます。
そのため、実況見分調書が無いと、事故状況の証明ができない場合もあるわけです。

ケガをしたのに物損事故として処理されてしまうと上記のようなデメリットがありますので、ケガをしたのであれば、必ず、人身事故として届け出ましょう。

人身事故への切替の流れ

よくご相談されるケースとして、「加害者から頼まれて物損事故として届け出てしまった」「警察に説得されて物損事故扱いになっている」ということがあります。

物損事故として処理されてしまうと、先のようなデメリットがありますので、物損事故から人身事故に切り替えるようにしましょう。

そこで、以下では、切替の流れについて解説します。

診断書を用意

まず、病院に行って、医師に診断書を書いてもらってください。
事故からできるだけ早い段階、2、3日、遅くても1週間以内に行くようにしましょう。
事故から日が経ってしまうと、医師も事故が原因の痛みかどうか判断できなくなってしまう恐れがあるからです。

警察に届出

診断書が用意できたら、警察に提出して、人身事故に切り替えるように届け出ましょう。

警察は、事故から日が経てば経つほど、切り替えの受付を拒否する傾向にあります。
ですから、こちらもできるだけ早く、遅くても事故から1週間以内には、切り替えを届け出るようにしましょう。

警察が切替を認めない場合

事故から日が経ってしまうと、警察が切り替えに応じてくれない場合があります。

そのような場合は、保険会社から「人身事故証明入手不能理由書」という書類を取り寄せてください。
そして、必要事項を記入して相手方の保険会社や自賠責に提出してください。

警察が人身事故への切り替えを認めないからといって、保険会社に対して、人身事故であることを主張できないわけではありません。
しかし、加害者が人身事故であることを争ってくるような場合には、こちらで、病院の診断書等を用意して人身事故だと証明する必要が生じます。

まとめ

いかがでしたか?
今回は、物損事故から人身事故への切替について解説しました。
事故直後は物損事故として届け出てしまったけど、痛みが出てきたので、人身事故に切り替えたいという方は、是非、参考にしてみてください。

静岡城南法律事務所

弁護士 山形祐生(やまがたゆうき)

静岡県弁護士会所属 登録番号:44537

静岡県交通事故相談所の顧問弁護士(静岡県知事の委嘱による)。
日本交通法学会に所属し、交通事故に関する最新の裁判例等の研究をしている。静岡県外からの相談・依頼も多く、単独で年間に100件以上の交通事故案件を手掛けている。保険会社との交渉を得意とする。案件としては、過失割合、慰謝料、後遺障害、死亡事故に関するものが多い。

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