
交通事故に遭って通院をしているけど、健康保険は使えるの?
健康保険を使うことのメリット・デメリットは?
この記事は、このような疑問をお持ちの方のために書きました。
こんにちは!弁護士の山形です。
今回は、初めて交通事故に遭ってしまった方のために「健康保険のキホン」について、解説しています。
これから通院するという方は、ぜひ参考にしてみてください。
本記事を執筆した弁護士
目次
保険診療と自由診療
健康保険を使った診療のことを「保険診療」といいます。
一方、健康保険を使わない診療のことを「自由診療」といいます。
保険診療の場合には、国が治療内容によって点数を定め、治療費の金額を決めていますが、自由診療の場合は、病院ごとに治療費の金額を決めています。
一般的に自由診療の方が治療費が高くなりますので、治療費の節約のため、保険会社から健康保険を使うように言われることもあるかと思います。
このような場合、あなたは健康保険を使った方が良いのでしょうか?
そこで、次に、健康保険のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
健康保険のメリット・デメリット
健康保険のメリット
健康保険の一番のメリットは、治療費が安いという点です。
治療費が安いということは、相手方の保険会社の支出が減ることになりますから、その分、他の慰謝料等についての交渉がスムーズにいく可能性があります。
また、あなたに過失がある場合、健康保険を使って、治療費を抑えた方が最終的に手にすることができる賠償額が大きくなることもあります。
具体例で解説しますね。
例えば、治療費が200万円、その他の損害額が100万円、あなたの過失割合が30%という場合、あなたが獲得できる賠償金額は、以下の計算のとおり10万円です。
しかし、健康保険を使って治療費が100万円だった場合は、40万円となり、手元に残るお金が自由診療の場合よりも大きくなります。
| 自由診療の場合 | 健康保険を使った場合 |
|---|---|
| (200万円+100万円)×70%-200万円=10万円 | (100万円+100万円)×70%-100万円=40万円 |
治療費を抑えられると既払い金額が小さくなるので、手元に残るお金が大きくなるわけです。
健康保険のデメリット
健康保険のデメリットとしては、厚生労働省が承認していな先進的な治療が行えない、という点があります。
逆に言うと、自由診療であれば、健康保険の枠を気にすることなく治療を受けられるということです。
結局、保険診療と自由診療のどっちがいいの?
ケースバイケースということになりますが、もし、あなたが希望する治療が健康保険の対象外であれば、自由診療で最大限の治療を受けた方が良いかもしれません。
一方、治療が健康保険でも対応可能で、あなたに過失があるような場合や保険会社が治療費を打ち切ってきたような場合には、健康保険を使って、治療費を抑えた方が良いでしょう。
もっとも、病院によっては、健康保険の利用を拒否する場合があります。
後で説明するとおり、交通事故でも健康保険は使えるのですが、病院の先生には、後で後遺障害診断書を作成していただいたり、場合によっては、意見書の作成をお願いすることもあるかもしれません。
主治医の先生の意見というのは、裁判でも重要な証拠となり得ます。
また、自賠責に保険金を請求する際には定型用紙の診断書などが必要となるのですが、その作成に応じてもらえないこともあります。
ですから、病院と対立するような状況は、できれば避けたいところです。
そのため、病院が健康保険の利用に難色を示すようなケースでは、一度、弁護士に相談することをオススメします。
交通事故で健康保険は使えない?
交通事故の被害者の方が病院に行くと、窓口で「交通事故の治療には健康保険が使えない」と言われることがあるようです。
実際、私の依頼者でもそのような対応をされたという方が結構いらっしゃいます。
しかし、実際には、交通事故でも健康保険を使うことは可能です。
この点については、旧厚生労働省時代の通達(健康保険及び国民健康保険の自動車損害賠償責任保険等に対する求償事務の取扱について(昭和43年10月12日保険発第106号))で明らかにされています。
ただし、通勤中の事故など労災事故については、健康保険は使えませんので、自由診療か労災保険を使うようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、健康保険のメリット・デメリットなどについて解説しました。
これから通院をするという方は、ぜひ参考にしてみてください。
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