幼い子どもが事故にあった場合も過失相殺されてしまうの?
夫の車に乗せてもらっていた場合、夫の運転に過失があると私の損害も減額されちゃうの?

この記事は、このような疑問をお持ちの方のために書きました。

こんにちは!弁護士の山形です。
今回は、被害者側の過失のポイントについて解説します。
被害者本人に落ち度がなくても、事情によっては、損害額が減額されてしまう場合がありますので、確認していきましょう。

静岡城南法律事務所

山形祐生(やまがたゆうき)

静岡県弁護士会所属 登録番号:44537

静岡県交通事故相談所の顧問弁護士(静岡県知事の委嘱による)。
日本交通法学会に所属し、交通事故に関する最新の裁判例等の研究をしている。静岡県外からの相談・依頼も多く、一人で年間120件以上の交通事故案件を手掛けている。慰謝料、後遺障害、過失割合に関する交渉・裁判を得意とする。

目次

被害者側の過失って?

被害者本人に落ち度がない場合であっても、被害者の損害額を減額するのが相当、と判断される場合があります。
いわゆる「被害者側の過失」といわれるものです。

このような考え方があるため、被害者と身分上・生活関係上の一体性がある人の過失は、被害者側の過失として考慮されることになります。
そのため、被害者側の過失が考慮されると、被害者が加害者に損害を請求しても、損害額が減額されることになります。

それでは、どのような場合に、被害者側の過失が認められてしまうのか、具体例を見ていきましょう!

幼児の監督義務

裁判では、事理弁識能力を欠く幼児等のした行為について、監督義務者に過失があった場合には、監督義務者の過失をもって過失相殺される、と考えられています。

簡単にいうと、親が子どもの監督を十分にしていなかった場合には、子どもが事故にあったとしても、損害額が減額されてしまうということです。

そのため、例えば、2歳の子が、親が目を離した隙に道路に突然飛び出して、自動車に衝突してしまったというようなケースでは、親が子どもの監督を怠ったと判断され、子どもの損害額が減額されてしまう可能性があるということです。

一方、例えば、保育士さんなど、親から子どもの監護を委託されていた人について過失があったとしても、被害者側の過失とは判断されません(最高裁昭和42年6月27日判決)。

夫婦、内縁の配偶者

次に、妻が夫が運転する車に乗っていて事故に遭った場合、妻が加害者に損害賠償を請求しても、夫に過失があれば、過失相殺され、損害額が減額されると考えられています。

ただし、夫婦の婚姻関係が既に破綻に瀕しているなど、特段の事情がある場合には、被害者側の過失と認定されない可能性もあります。

過去の裁判例では、同じように内縁の夫婦についても被害者側の過失が認められます。

一方で、職場の同僚や恋人同士については、過去の裁判例では、被害者側の過失が否定されています。

 

共同暴走行為

ここまで紹介した例は、被害者と身分上・生活関係上の一体性が認められるようなケースでしたが、次に紹介するケースは、身分上・生活関係上の一体性が認められませんが、別の観点から被害者側の過失を肯定した判決です。

最高裁平成20年7月4日判決は、以下のような事案です。
Aさんが運転し、Bさんが同乗するバイクが、Aさんの暴走運転を阻止しようと停止していたパトカーが衝突し、Bさんが亡くなり、Bさんの相続人がパトカーの運行供用者に対して損害賠償請求をしたというものです。

このような事案で、最高裁は、Aさんの過失をBさんの過失として考慮することができると判断しました。
これは、Aさんの運転をAさんとBさんの共同暴走行為の一環とみられることを考慮したものといえます。

そのため、被害者本人と身分上・生活関係上の一体性がないというようなケースでも、被害者側の過失が肯定される場合がありますので、注意が必要です。

交通事故についての無料相談(全国対応)

いかがでしたか?
今回は、被害者側の過失のポイントについて解説しました。
紹介した事例のように、被害者本人に過失がなくても、損害額が減額されてしまうことがありますので、今後の参考にしてみてください。
現在、本解説を執筆した山形弁護士による無料相談を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

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メールやLINEで無料相談

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相談料と着手金は無料です。

交渉等が解決した後の完全後払いになります。
※訴訟等の手続に移行する場合や複雑な事案などについては、上記とは異なる料金体系とさせていただくことがありますが、その場合には、ご依頼いただく前にご説明させていただきます。

弁護士費用特約を使える場合には、補償上限額まで保険会社が弁護士費用を代わりに支払ってくれますので、ほとんどのケースで実質無料で交渉や裁判等を弁護士に依頼できます。

弁護士費用特約を利用しても、保険料は変わりませんので、可能な場合には利用することをお勧めします。

「弁護士費用特約を使えるか分からない」という場合には、弁護士が代わりに保険会社に確認することもできますので、お気軽にご相談ください。

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当事務所では、交通事故被害者の方からだけではなく、保険代理店様からのご相談についても無料で対応しています。
これまでも全国の保険代理店様からご相談いただいた実績があります。
まずは、契約者様の代わりにご相談してみたいという保険代理店様も、LINE電話メールでお問い合わせください。

また、現在、当事務所と提携していただける保険代理店様を募集しています(無料)。
詳細はこちらのページをご参照ください。

よくある質問

Q静岡県以外の地域に住んでいるのですが、静岡県以外の地域からの相談・依頼は可能ですか?
A

静岡県以外の方からのご相談・ご依頼もお受けしております。当事務所へのご相談・ご依頼のうち半分程度が静岡県外の方からのものです。

電話、メール、LINE、zoomなど、ご希望の方法でご相談いただけます。また、ご依頼後も同様の方法で打ち合わせができますので、仮に、裁判になったとしても、事務所にお越しいただく必要はありません。

これまで、北海道、青森、福島、福井、富山、石川、東京、埼玉、群馬、栃木、千葉、神奈川、山梨、静岡、愛知、長野、岐阜、滋賀、京都、大阪、三重、奈良、兵庫、広島、島根、香川、宮崎、福岡、沖縄にお住まいの方からご相談・ご依頼いただいた実績がありますので(令和6年7月現在)、その他地域にお住まいの方もお気軽にご相談・ご依頼ください。

 

Qケガはなく、物損(車の修理費用など)の過失割合だけが問題になっているのですが、相談・依頼することはできますか?
A

物損だけの事故についてもご相談・ご依頼いただくことは可能です。

Q小さな事故で、特に保険会社との間で揉めていないのですが、弁護士に相談しても良いですか?
A

もちろん、問題ありません。
 弁護士に依頼することで、小さなケガであっても示談金額が増額される可能性がありますし、保険会社との対応を全てお任せできるというメリットがありますのでお気軽にご相談ください。

Q他の弁護士に依頼しているのですが、変更して依頼はできますか?
A

現在、依頼している弁護士との契約を解除していただいたうえで、ご依頼いただくことになります。また、弁護士費用特約を利用している場合には、ご自身の保険会社に担当弁護士を変更したい旨を伝えて了承を得てください。

Q弁護士費用で費用倒れ(赤字)になることはありませんか?
A

ご相談内容を詳しく伺ったうえで、もし、少しでも費用倒れの可能性がある場合には、必ずご依頼前にご説明させていただきます。万が一、増額した金額よりも弁護士費用が高額となる場合は、増額した金額が弁護士費用の上限となりますので、損をすることはありません。
 なお、弁護士費用特約をご利用の場合は、費用倒れになることはありません。

Qどの段階から費用が発生しますか?
A

相談では一切費用は発生しません。弁護士との間で委任契約書を作成して、正式にご依頼いただいて、弁護士が交渉等の活動を開始した段階から費用が発生致します。

Q日中は仕事で忙しいので、弁護士事務所に行ったり、電話をしたりすることが難しいのですが・・・
A

ご依頼後の弁護士との連絡手段をメールやLINEにすることが可能です。

Q裁判まではしたくないのですが、交渉で示談することは可能ですか?
A

裁判まで行うか、交渉で示談をして終わらせるかは、依頼者の方が決めることになりますので、交渉での解説を希望される場合には、裁判にはなりません。なお、当事務所がこれまで扱ったケースでは、8割ほどが交渉で解決しています。

Q解決までには、どれくらいの時間が掛かりますか?
A

事案にもよりますが、交渉の場合、交渉開始から1ヶ月程度で示談して終わるケースが多いです。ただし、後遺障害の申請をしたり、過失割合に争いがあって実況見分調書等を取り寄せる場合には、プラス2、3月程度かかります。
また、裁判の場合は、早くても半年程度は掛かります。当事務所が過去に扱った裁判では、平均すると1年~2年で終わるケースが多いです。

Q弁護士に相談したら必ず依頼しなければいけないのでしょうか?
A

もちろん、相談だけで依頼しなくても問題ありません。むしろ、複数の弁護士に会って相談したうえで、最も信頼できる弁護士に依頼することをお勧めします。

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静岡県弁護士会所属 登録番号:44537

静岡県交通事故相談所の顧問弁護士(静岡県知事の委嘱による)。
日本交通法学会に所属し、交通事故に関する最新の裁判例等の研究をしている。静岡県外からの相談・依頼も多く、一人で年間120件以上の交通事故案件を手掛けている。慰謝料、後遺障害、過失割合に関する交渉・裁判を得意とする。

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