保険会社と過失割合で揉めている。
交通事故の過失割合は、誰がどうやって決めるのか知りたい。

 

この記事はこのような方のために書きました。

 

こんにちは。静岡城南法律事務所の弁護士の山形です。
今回は、交通事故の過失割合は誰がどうやって決めるのかについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

本記事を執筆した弁護士

静岡城南法律事務所

山形祐生(やまがたゆうき)

静岡県 登録番号:44537

静岡県交通事故相談所の顧問弁護士(静岡県からの委嘱による)。
弁護士としては珍しく、特に過失割合の問題に強い。保険会社が提示する過失割合に納得のいかない被害者からの依頼が多い。静岡県外からの相談・依頼も多く、一人で年間200件以上の交通事故相談等に対応してきた。

目次

この記事の結論

Q1. 交通事故の過失割合は誰が決めるのか?
A1. 警察でも保険会社でもない。示談交渉の段階では、当事者(被害者・加害者または双方の保険会社)の話し合いによって決まる。話し合いがまとまらない場合、調停や裁判などの手続の中で決めることになり、最終的に裁判になれば、裁判所が判決で過失割合を決定する。保険会社が「過失割合は○対○です」と提示してきても、それはあくまで一方当事者の主張に過ぎず、被害者が納得できなければ従う必要はない。
Q2. 過失割合はどうやって決まるのか?何を基準に判断されるのか?
A2. 保険会社・弁護士・裁判所は、「別冊判例タイムズ39号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準〔全訂6版〕」(通称「判タ」)を参考に過失割合を検討する。判タは過去の裁判例を元に事故状況ごとに基本的な過失割合を類型化した実務書で、2026年3月30日に全訂6版(別冊判例タイムズ39号)が発売された。それ以前は全訂5版(別冊判例タイムズ38号)が使われていたが、現在は6版が最新基準となっている。例えば「直進車と右折車が交差点で衝突した場合、基本は直進車20%:右折車80%」といった形で、事故態様ごとに基本的過失割合が示されている。
Q3. 判タに書いてある過失割合に従うしかないのか?
A3. 判タの基準は絶対ではない。判タはあくまで「基本的」過失割合を示したもので、事故ごとの具体的事情(速度、道路状況、相手方の過失の程度、修正要素の有無など)に応じて修正される。また、判タに該当する類型がない事故態様もある。例えば「並走状態からの車線変更で横から衝突された」というケースは判タには明確な類型がなく、保険会社が類似類型(進路変更車と後続直進車の事故=30:70)を持ち出して過失を主張してきても、裁判実務では並走状態からの車線変更は0:100(車線変更された側は無過失)と判断されることもある。保険会社の提示する基本的過失割合を鵜呑みにせず、具体的事情を反映した過失割合を主張することが重要。
Q4. 過失割合に納得できないときはどうすればよいか?
A4. 以下の順序で対応するのが一般的。 ①保険会社に反論して交渉する(判タの該当類型の解説、修正要素、具体的な裁判例などを根拠に)、 ②交通事故紛争処理センターなどの機関を利用する(無料で中立的な第三者に判断を求められる)、 ③裁判を行う(裁判所が最終的に判断)。過失割合が10%変わるだけで賠償金額が数十万円〜数百万円変わることもあるため、交通事故に強い弁護士に相談するのが最も確実。特に、事故態様が判タの典型類型と異なる場合や、ドライブレコーダー映像・実況見分調書の読み込みが必要な場合は、弁護士の関与で結論が大きく変わる可能性がある。

執筆:弁護士 山形祐生(静岡県弁護士会 登録番号44537/日本交通法学会所属/静岡県交通事故相談所 顧問弁護士)/最終更新:2026年4月19日

交通事故の過失割合は誰が決めるのか?

交通事故の過失割合は、示談交渉の段階では、当事者の話し合いによって決まります。つまり、あなたと保険会社(加害者が保険に加入していない場合は、加害者本人)との話し合いによって決めることになります。

しかし、あくまで話し合いに過ぎませんから、もしも、保険会社が主張する過失割合に納得できないのであれば、保険会社が主張する過失割合に従う必要はありません。

なお、よくある誤解として「過失割合は警察が決める」というものがありますが、警察が過失割合を決めることはありません。警察は事故状況を記録し、刑事責任の有無を判断する立場であって、民事上の損害賠償請求における過失割合を決める権限はありません。

もしも、示談交渉で話し合いがまとまらなかった場合には、調停や裁判などの手続の中で過失割合を決めることになります。

調停での話し合い

調停というのは、簡単に言うと、調停委員という中立的な立場の第三者が間に入って行う話し合いです。そのため、第三者が間に入るので示談交渉よりは、話し合いがまとまりやすいといえます。

しかし、調停もあくまで話し合いなので、あなたと保険会社の双方が合意しなければ、過失割合は決まりません。

交通事故紛争処理センターの利用

裁判まで行う前に、「公益財団法人 交通事故紛争処理センター」の利用を検討することもできます。同センターでは、交通事故専門の弁護士が中立的な立場から和解案を提示してくれます。利用は無料で、保険会社は同センターの最終的な審査結果(裁定)に原則として従うため、裁判に比べて短期間・低コストで解決できる可能性があります。

裁判での最終判断

裁判になった場合には、最終的には、裁判所が過失割合を決めることになります。

もっとも、一般的には、判決が出る前の段階で、和解のための話し合いがあることが多いです。和解手続の際には、通常、裁判所から、「仮に判決になるとしたら、○対○の過失割合にするつもりです」といった一応の心証が示されますので、それを前提に話し合いをすることが多いです。

それでも、和解ができない場合には、最終的に、判決という形で裁判所が過失割合を決めることになります。

交通事故の過失割合は誰が決めるのか?

基本的には、過失割合は、当事者が決める。
当事者の話し合いで決まらない場合は、調停・交通事故紛争処理センターを経て、最終的に裁判所が決める。

交通事故の過失割合はどうやって決まるのか?

では、過失割合はどうやって決まるのでしょうか。

保険会社、弁護士、裁判所は、過失割合を検討するときに、「別冊判例タイムズ39号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準〔全訂6版〕」という本に載っている基準を参考にします。この本は、略して、「判タ(ハンタ)」と呼んだりします。

判タの改訂(2026年3月全訂6版へ)

判タは、2026年3月30日に全訂6版(別冊判例タイムズ39号)が発売されました。それまで使われていた全訂5版(別冊判例タイムズ38号)は2014年7月に発売されてから約12年ぶりの全面改訂となります。

全訂6版では、既存の事故類型の見直しや修正、新たな事故類型の追加などが行われており、これまでの過失割合の相場が変わる可能性もあります。過失割合の交渉・裁判では、必ず最新版(全訂6版)を参照した議論が必要です。

判タに載っている内容

判タには、事故状況ごとに過失割合の一応の基準が整理されています。例えば、直進車と右折車が交差点で衝突したケースでは、「基本的な過失割合は、直進車20%、右折車80%」といった感じで事故状況ごとに過失割合の一応の基準が記載されています。

主な類型としては、以下のようなものがあります。

  • 歩行者と車の事故(横断歩道、横断歩道外など)
  • 歩行者と自転車の事故
  • 四輪車同士の事故(出会い頭、右折、追越、進路変更など)
  • 四輪車と二輪車の事故
  • 自転車と四輪車の事故
  • 高速道路上の事故
  • 駐車場内の事故
  • 後退車が関係する事故

それぞれの類型ごとに、基本的過失割合と、修正要素(速度違反、著しい過失、重過失、夜間、児童・高齢者など)が整理されています。

判タに掲載されているような事故状況であれば、仮に、裁判になった場合には、判タと同じような過失割合が認定される可能性が高いので、示談交渉段階では、弁護士や保険会社も判タを参考に過失割合を検討します。

判タの基準は絶対ではない

しかし、判タの基準が絶対というわけではありません。判タに掲載されている事故状況とは微妙に状況が違うという場合もあり得ます。ですから、判タでこうなってるから、と安易に考えるのは危険です。

典型例:並走状態からの車線変更事故

例えば、「隣の車線を並走していた車が車線変更してきて側面衝突した」という事故態様については、判タには明確な類型がありません。

しかし、保険会社は、判タの「進路変更車と後続直進車との事故」の例を挙げて30:70の過失割合を主張してくることがあります。これは、あらかじめ前方にいた車両が進路変更する場合を想定していますので、並走状態からの車線変更とは状況が異なります。

そして、実際の裁判例では、並走状態からの車線変更では、車線変更された側の過失は無し(0:100)と判断されることも多くありますので注意してください。

交通事故|並走から車線変更されて横からぶつけられた場合の過失割合|弁護士が解説

典型例:駐車場内で停止中の車に衝突された事故

もう一つの典型例として、駐車場内で停止していた車に、駐車区画から出ようとした車が後退してきて衝突したような事故があります。

保険会社は、「停止していても、クラクションを鳴らさなかったから過失がある」と主張してくることがありますが、裁判例では、「駐車区画内に停止していた車がクラクションを鳴らさなかったとしても過失にはならない」と判断されたものがあります。

駐車場事故で過失割合10対0の裁判例①|直前停止・クラクション無し|弁護士が解説

判タの基準を修正する「修正要素」

判タには、基本的過失割合だけでなく、修正要素として、様々な事情による過失割合の修正方法が記載されています。代表的な修正要素は以下のとおりです。

  • 著しい過失(+10%):脇見運転、時速15km以上の速度違反、携帯電話使用、酒気帯び運転など
  • 重過失(+20%):酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転、時速30km以上の速度違反など
  • 夜間・幼児・児童・高齢者:事故の態様に応じて加減算
  • 明らかな先入:一方の車両が明らかに先に交差点に入っていた場合、他方に+10%
  • 信号の変わり目:進入時の信号色に応じた修正

これらの修正要素を適切に主張することで、保険会社が提示する基本的過失割合から数十%の修正が認められることも珍しくありません。

過失割合で不利な提示を受けたら弁護士に相談を

過失割合は、最終的な賠償金額に直結する極めて重要な争点です。過失割合が10%違うだけで、賠償金額が数十万円〜数百万円変わることも珍しくありません。

保険会社は、判タの基本的過失割合を機械的に当てはめて提示してくることが多いですが、実際の事故態様が判タの類型と異なる場合や、修正要素を十分考慮していない提示である場合、交渉や裁判で過失割合を有利に変更できる可能性があります。

当事務所では、過失割合の問題に特に力を入れて取り組んでいます。静岡県外からも過失割合の相談・依頼を多数お受けしており、保険会社の提示を覆して10:0や有利な過失割合を獲得した解決事例も多数あります。

保険会社の提示する過失割合に納得できない方は、ドライブレコーダー映像・実況見分調書・事故現場の写真などをお持ちの上、当事務所にお気軽にご相談ください。弁護士費用特約を使えるケースでは、実質無料で対応可能です。

関連記事も参考にしてください。

過失割合を得意とする事務所です

当事務所は交通事故の中でも特に過失割合の交渉や裁判を得意とします。
過失割合が争点となる案件に力を入れている法律事務所は全国的にも珍しいかと思います。

静岡県にある事務所ですが、お陰様で口コミが広がり、過失割合ついて、静岡県外の方からも多くのご相談・ご依頼をいただいております。

他の弁護士からは保険会社が提示する過失割合で諦めるように言われたというケースでも当事務所に交渉や裁判を御依頼いただいて有利な割合になったケースが多数あります。

当事務所では、専門解析業者(株式会社東海DC )と提携しているため、車の傷痕やドライブレコーダーの映像を解析し事故状況を検証して、過失割合について徹底的に争うことも可能です。
※解析業者への依頼は有料となりますが、弁護士費用特約がある場合には、基本的には弁護士費用特約によって費用が補償されます。

安心してご依頼いただける体制を整えておりますので、過失割合でお悩みの方はぜひ当事務所にご相談ください。

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弁護士費用

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相談料と着手金は無料です。

交渉等が解決した後の完全後払いになります。
※訴訟等の手続に移行する場合は追加費用が発生します。

弁護士費用特約を使える場合には、保険会社が弁護士費用を代わりに支払ってくれますので、ほとんどのケースで実質無料で交渉や裁判等を弁護士に依頼できます。

弁護士費用特約を利用しても、保険料は変わりませんので、可能な場合には利用することをお勧めします。

「弁護士費用特約を使えるか分からない」という場合には、弁護士が代わりに保険会社に確認することもできますので、お気軽にご相談ください。

保険代理店様からのご相談

当事務所では、交通事故被害者の方からだけではなく、保険代理店様からのご相談についても無料で対応しています。
これまでも全国の保険代理店様からご相談いただいた実績があります。
まずは、契約者様の代わりにご相談してみたいという保険代理店様も、LINE電話メールでお問い合わせください。

また、現在、当事務所と提携していただける保険代理店様を募集しています(無料)。
詳細はこちらのページをご参照ください。

よくある質問

Q静岡県以外の地域に住んでいるのですが、静岡県以外の地域からの相談・依頼は可能ですか?
A

静岡県以外の方からのご相談・ご依頼もお受けしております。当事務所へのご相談・ご依頼のうち半分程度が静岡県外の方からのものです。

電話、メール、LINE、zoomなど、ご希望の方法でご相談いただけます。また、ご依頼後も同様の方法で打ち合わせができますので、仮に、裁判になったとしても、事務所にお越しいただく必要はありません。

これまで、北海道、青森、福島、福井、富山、石川、東京、埼玉、群馬、栃木、千葉、神奈川、山梨、静岡、愛知、長野、岐阜、滋賀、京都、大阪、三重、奈良、兵庫、広島、島根、香川、宮崎、福岡、沖縄にお住まいの方からご相談・ご依頼いただいた実績がありますので(令和6年7月現在)、その他地域にお住まいの方もお気軽にご相談・ご依頼ください。

Qケガはなく、物損(車の修理費用など)の過失割合だけが問題になっているのですが、相談・依頼することはできますか?
A

物損だけの事故についてもご相談・ご依頼いただくことは可能です。

Q小さな事故で、特に保険会社との間で揉めていないのですが、弁護士に相談しても良いですか?
A

もちろん、問題ありません。
 弁護士に依頼することで、小さなケガであっても示談金額が増額される可能性がありますし、保険会社との対応を全てお任せできるというメリットがありますのでお気軽にご相談ください。

Q弁護士費用で費用倒れ(赤字)になることはありませんか?
A

ご相談内容を詳しく伺ったうえで、もし、少しでも費用倒れの可能性がある場合には、必ずご依頼前にご説明させていただきます。万が一、増額した金額よりも弁護士費用が高額となる場合は、増額した金額が弁護士費用の上限となりますので、損をすることはありません。
 なお、弁護士費用特約をご利用の場合は、費用倒れになることはありません。

Qどの段階から費用が発生しますか?
A

相談では一切費用は発生しません。弁護士との間で委任契約書を作成して、正式にご依頼いただいて、弁護士が交渉等の活動を開始した段階から費用が発生致します。

Q日中は仕事で忙しいので、弁護士事務所に行ったり、電話をしたりすることが難しいのですが・・・
A

ご依頼後の弁護士との連絡手段をメールやLINEにすることが可能です。

Q裁判まではしたくないのですが、交渉で示談することは可能ですか?
A

裁判まで行うか、交渉で示談をして終わらせるかは、依頼者の方が決めることになりますので、交渉での解説を希望される場合には、裁判にはなりません。なお、当事務所では、8割ほどが交渉で解決しています。

Q解決までには、どれくらいの時間が掛かりますか?
A

事案にもよりますが、交渉の場合、交渉開始から1ヶ月程度で示談して終わるケースが多いです。ただし、後遺障害の申請をしたり、過失割合に争いがあって実況見分調書等を取り寄せる場合には、プラス2、3月程度かかります。
また、裁判の場合は、早くても半年程度は掛かります。当事務所が過去に扱った裁判では、平均すると1年~2年で終わるケースが多いです。

Q弁護士に相談したら必ず依頼しなければいけないのでしょうか?
A

もちろん、相談だけで依頼しなくても問題ありません。むしろ、複数の弁護士に会って相談したうえで、最も信頼できる弁護士に依頼することをお勧めします。

Q他の弁護士に依頼しているのですが、変更して依頼はできますか?
A

現在、依頼している弁護士との契約を解除していただいたうえで、ご依頼いただくことになります。また、弁護士費用特約を利用している場合には、ご自身の保険会社に担当弁護士を変更したい旨を伝えて了承を得てください。

本記事を執筆した弁護士

静岡城南法律事務所

山形祐生(やまがたゆうき)

静岡県 登録番号:44537

静岡県交通事故相談所の顧問弁護士(静岡県からの委嘱による)。
弁護士としては珍しく、特に過失割合の問題に強い。保険会社が提示する過失割合に納得のいかない被害者からの依頼が多い。静岡県外からの相談・依頼も多く、一人で年間200件以上の交通事故相談等に対応してきた。

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