
個人事業主の休業損害は、どんな計算方法があるの?
赤字の場合も休業損害が認められるの?
この記事は、このような疑問をお持ちの方のために書きました。
こんにちは!静岡の弁護士の山形です。
今回は、個人事業主の休業損害のポイントについて解説しています。
給与所得者と比べて、個人事業主の休業損害の計算は複雑となることが多いので、事故に遭われた個人事業主の方はぜひ参考にしてみてください。
本記事を執筆した弁護士
目次
個人事業主の休業損害の計算方法
個人事業主の休業損害は、給与所得者の休業損害よりも複雑で、正確な損害額を把握することは非常に困難です。
そのため、事案によって様々な計算方法が考えられますが、今回は、基本的な計算方法を2つ紹介します。
事故前後の所得の比較で休業損害を計算する方法
1つめは、事故前後の所得の比較で休業損害を計算する方法です。
事故前年と事故にあった年の確定申告書の損益計算書を用意してください。
そして、それぞれの損益計算書の「所得金額」に「青色申告特別控除額」と「専従者給与(※)」を足した金額を所得として、事故前後の差額を計算します。
※専従者が事故前は全く手伝っていなかったけれど、事故後、本人が動けなくなってしまったので、手伝うようになったというようなケースでは、事故にあった年の所得に「専従者給与」を加算しないという考え方もあり得ます。
例えば、上記の計算の結果、事故前年の所得が500万円、事故にあった年の所得が300万円だった場合、差額の200万円を休業損害として考えることになります。
この計算方法は、算出方法が単純で分かりやすいかと思います。
しかし、確定申告書がすぐに作成されるとは限りませんし、休業期間と確定申告の対象期間がずれるので、事故との因果関係が問題となることがあり得ます。
事故前の所得から休業損害を計算する方法
2つめの計算方法は、事故前年の収入から、間接的に収入の減少額を把握しようとする方法です。
具体的には、
(事故前年の所得金額+固定経費)×寄与率÷365日×休業日数
という計算式で計算します。
まず、事故前年の所得金額は、先ほどと同様に確定申告書で確認します。
次に、固定経費についてですが、これは、休業中に支出を余儀なくされたものを加算することができます。
例えば、一般的には、租税公課、損害保険料、修繕費、減価償却費、利子割引料、リース料、支払手数料、諸会費、賃借料などが考えられます。
寄与率といのは、例えば、家族が事業を手伝っていた場合、本人のみの稼働による利益を把握するための割合です。
寄与率は、事故前後の営業状況、職務内容、業者など様々な事情から判断されます。例えば、本人が怪我で就労できなくなった場合に、事業を休止せざるを得ないような事業の場合は、寄与率は100%と判断される可能性が高くなります。
最後に、休業日数ですが、これも特に決まりはなく、怪我の内容など、様々な事情から判断されることになりますが、例えば、入院や通院をした日数を休業日数と考えることがあります。
赤字の場合も休業損害は認められる?
損益計算書の所得金額に、青色申告特別控除額、専従者給与、固定経費を加算しても、赤字という場合は、休業損害が認められない傾向にあります。
赤字事業の場合は、休業することによって、赤字が減少することも多いからです。
そのため、賃セという平均賃金額を基礎収入額として計算する方法などもあり得ますが、交渉で保険会社が認めることは少ないですし、裁判所の判断もなかなか厳しいです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、個人事業主の休業損害のポイントについて解説しました。
個人事業主の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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