愛着のある車なので、時価額を超えても修理費用を支払ってもらいたい!
この記事は、このような考えをお持ちの方のために書きました。
こんにちは!弁護士の山形です。
今回は、対物超過特約のポイントについて解説しています。
時価額よりも修理費用が高くついてしまうような場合でも、加害者が対物超過特約に加入していて、この特約を使えば、修理費用が支払われる可能性がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
対物超過特約って、どんな保険?
交通事故で車が破損して、時価額を超える修理費用が掛かってしまうような場合、対物賠償保険では、時価額までしか補償されず、通常、裁判や交渉でも時価額までしか損害として認められません。
しかし、事故の相手方が対物超過特約を使用すれば、時価額を超える高額な修理費用についても保険金が支払われることになります。
時価額を超える修理費用が支払われるというのは、あなたにとってのメリットですが、一方、特約を使用する事故の相手方にとっても、交渉がスムーズに進み、事件が早く解決するというメリットがあります。
対物超過特約の注意すべきポイント
被害者に特約の使用を請求する権利はない
もし、事故の相手方が対物超過特約に加入していても、あなたから相手方に対して、特約の使用を請求する権利はありません。
特約を使用するかしないかは、相手方の自由なわけです。
そのため、相手方が対物超過特約に加入していることが分かったとしても、使用しない場合もあり得るという前提で交渉や裁判を進める必要があります。
限度額が設定されている場合がある
事故の相手方の保険契約の内容にもよりますが、無制限に修理費用が認められるわけではなく、限度額が設定されている場合があります。
また、支払限度額が無制限で設定されていても、新車価格が上限とされている場合もあります。
そのため、相手方が対物超過特約に加入している場合には、その使用条件や限度額等について、確認したうえで、交渉を進めることが大切です。
期限内に実際に修理をしたことが必要
一般的に、対物超過特約は、事故の翌日から6ヶ月以内に実際に修理をしたことを条件としていることが多いです。
そのため、修理せずに、対物超過特約から修理費用を支払ってもらうことはできません。
対物超過特約を使用する側としては、修理前にもかかわらず、修理費用の金額を支払うという内容で示談してしまうと、示談成立後になって、被害者が修理をしないという方針になった場合に対物超過特約を使用できなくなってしまう場合がありますので、注意が必要です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、対物超過特約のポイントについて解説しました。
時価額を超える修理費用が掛かってしまうような事故の場合には、相手方が対物超過特約に加入していないか確認することをオススメします。