役員や従業員が事故で休業をしたけど、会社は役員報酬や給与を減額せずに支払っていた場合、会社は、加害者に対して、損害賠償請求できないの?

 

この記事は、このような疑問をお持ちの方のために書きました。

 

こんにちは!静岡の弁護士の山形です。
今回は、いわゆる会社の反射損害について解説しています。事故で休業した従業員の給与を減額せずに会社が支払っていた場合には、加害者に対して反射損害を請求することができる場合もありますので、参考にしてみてください。

本記事を執筆した弁護士

静岡城南法律事務所

山形祐生(やまがたゆうき)

静岡県弁護士会所属 登録番号:44537

静岡県交通事故相談所の顧問弁護士(静岡県知事の委嘱による)。
日本交通法学会に所属し、交通事故に関する最新の裁判例等の研究をしている。静岡県外からの相談・依頼も多く、一人で年間150件以上の交通事故案件を手掛けている。慰謝料、後遺障害、過失割合に関する交渉・裁判を得意とする。

目次

反射損害

交通事故にあってしまった従業員が休業していた期間中も会社が給与を減額せずに支払っていた場合、その支払額相当額の損害を加害者に請求できる可能性があります。
このような損害を「反射損害」といいます。

本来であれば、従業員が会社を休んでいたのであれば、給与を減額できたのに、従業員の生活等を考え、減額しなかったというような場合、従業員は加害者に休業損害を請求することはできませんが、代わりに、会社が損害を請求するというイメージです。

注意するポイント

反射損害は、あくまで、従業員に発生した損害を会社が代わりに支払ったことを原因として発生するものですから、会社が従業員に生じた損害を超えて給与等を支払ったとしても、必ずしもその全額が損害として認められるとは限りません。

例えば、怪我の程度が小さく、本来は、休業する必要無かったのに仕事を休んでいたような場合には、そもそも従業員に休業損害が発生していなかったといえますから、会社が給与を支払っていても、反射損害は認められません。

また、役員報酬の場合には、役員のいわゆる労務対価部分が問題となって、反射損害は、労務対価部分についてのみしか認められません。
役員報酬の労務対価部分の考え方については、以下の記事を参考にしてみてください。

被害者本人の損害との関係

被害者が会社の代表者というような場合について、以下のような裁判例がありますので注意が必要です。

代表者の妻が取締役で他に従業員はおらず、自宅が会社の事務所となっていたという、いわゆる個人会社が賠償を求めたという事案です。
この事案では、代表者個人と加害者との間で、代表者の休業損害を含めた調停が成立していました。
そのため、裁判所は、このような場合には、原則として会社の損害についても填補を受けたものとして、会社が重ねて損害の賠償を請求することはできないとしました(横浜地裁平成8年2月26日判決)。

また、会社の代表者が事故による休業損害と後遺障害による逸失利益等の賠償を求めた裁判で和解により賠償金を得ていたという事案において、その後、会社において更に営業利益の損失があるとして損害賠償請求することはできない、と判断した裁判例もあります(東京高裁平成13年1月31日判決)。

代表者の損害と重なる部分について、原則として反射損害は認められないということです。
そのため、会社の反射損害についても請求する可能性がある場合には、個人について示談する際には、この点も踏まえて、検討する必要があります。

まとめ

いかがでしたか?
今回は、会社の反射損害について解説しました。
会社の反射損害は、個人の損害とも関連してきますので、示談をする際には、注意してください。

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Q解決までには、どれくらいの時間が掛かりますか?
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事案にもよりますが、交渉の場合、交渉開始から1ヶ月程度で示談して終わるケースが多いです。ただし、後遺障害の申請をしたり、過失割合に争いがあって実況見分調書等を取り寄せる場合には、プラス2、3月程度かかります。
また、裁判の場合は、早くても半年程度は掛かります。当事務所が過去に扱った裁判では、平均すると1年~2年で終わるケースが多いです。

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もちろん、相談だけで依頼しなくても問題ありません。むしろ、複数の弁護士に会って相談したうえで、最も信頼できる弁護士に依頼することをお勧めします。

本記事を執筆した弁護士

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山形祐生(やまがたゆうき)

静岡県弁護士会所属 登録番号:44537

静岡県交通事故相談所の顧問弁護士(静岡県知事の委嘱による)。
日本交通法学会に所属し、交通事故に関する最新の裁判例等の研究をしている。静岡県外からの相談・依頼も多く、一人で年間150件以上の交通事故案件を手掛けている。慰謝料、後遺障害、過失割合に関する交渉・裁判を得意とする。

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