
自賠法3条と民法709条のどちらに基づいて損害賠償請求するべきか知りたい。
この記事は、このような方のための書きました。
こんにちは!静岡の弁護士の山形です。
今回は、「自賠法3条と民法709条の使い分け」について解説します。
はっきり言って、難しい話になっていますが、もし、今後、弁護士に依頼せず自分で訴訟提起をする予定という方は、ぜひ参考にしてみてください。
本記事を執筆した弁護士
目次
この記事の結論
- Q1. 交通事故の損害賠償請求で「自賠法3条」と「民法709条」はどう違うのか?
- A1. 請求相手と立証責任が違う。民法709条は加害者本人に対する請求で、被害者側が加害者の過失を立証する必要がある。自賠法3条は運行供用者(車の所有者など)に対する請求で、被害者側で過失を立証する必要がなく、加害者側が無過失を立証しない限り責任を負う(立証責任の転換)。
- Q2. 自賠法3条は物損にも使えるのか?
- A2. 使えない。自賠法3条は人損限定、物損のみの事故では民法709条しか使えない。人身損害については両方使えるので、被害者に有利な自賠法3条を選ぶのが通常。
- Q3. 自賠法3条を使うメリットが大きいのはどんなケースか?
- A3. ①加害者本人が無保険かつ無資力で運行供用者が別にいる場合(損害の回収先を増やせる)、②過失が0%か100%かで争われているケース(例:信号赤青の争い)。②では民法709条だと被害者が相手の赤信号進入を立証しなければならないが、自賠法3条なら逆に加害者側が青信号進入を立証する責任を負うため、被害者に有利。
- Q4. 自賠法3条で加害者が免責されるのはどんな場合か?
- A4. ①運転者が注意を怠らなかったこと、②被害者または第三者に故意・過失があったこと、③自動車に構造上の欠陥・機能障害がなかったこと、の3要件すべてを加害者側が立証した場合のみ。実務上、この三要件すべての立証は極めて困難なため、被害者に非常に有利な制度となっている。
自賠法3条に基づく損害賠償請求権
交通事故の被害者は、加害者(=運転者)に対して民法709条に基づく損害賠償請求をすることができます。
また、加害自動車の運行供用者(例えば自動車の所有者など)に対しては、自賠法3条に基づいて損害賠償請求することができます。
そのため、交通事故の被害者は、民法709条と自賠法3条の両方又はいずれか一方に基づいて損害賠償請求をすることになります。
民法709条と自賠法3条の違い
請求の相手方
民法709条の請求の相手方は、加害者本人です。
自賠法3条の請求の相手方は、運行供用者です。
物的損害請求の可否
民法709条では、物損についても請求することができます。
自賠法3条で請求できるのは人損に限られますので、物損について請求することはできません。
つまり、物損のみの事故の場合は、民法709条しか使えません。
相手方の過失の立証の必要性
民法709条の場合、相手方の過失について立証する必要がありますが、自賠法3条の場合は、被害者側で運行供用者の故意・過失を立証する必要はありません。
つまり、運行供用者側で自賠法3条但書が定める免責事由の全てを立証できない限り、賠償責任を負うということになります。
自賠法3条を使った方が良いケース
加害者本人が無保険かつ無資力で車両保有者が別にいる場合
例えば加害者本人が保険に加入しておらず、お金を持っていないようなケースでは、損害の回収先を増やすため自賠法3条も使った方が良いでしょう。
また、同じように、加害者本人が故意に事故を起こしたため故意免責となって保険が適用されないというケースでも自賠法3条に基づいて運行供用者への損害賠償請求を検討するべきです。
過失が0%か100%のいずれかで争いになる場合
先ほども説明しましたとおり、自賠法3条の場合は、被害者側で運行供用者の故意・過失を立証する必要はありません。
そのため、例えば、交差点の事故で被害者側の信号が赤か青か争いになっているケース、つまり、被害者の過失が100%か0%かで争いになっているような場合、民法709条では、被害者側が加害者が赤色で交差点に進入してきたことを証明しなければなりません。
しかし、自賠法3条であれば、逆に加害者側が自分に過失がなかったこと、つまり、青信号で交差点に進入したことを証明しなければなりませんから、被害者としては、自賠法3条に基づいて損害賠償請求した方が良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、自賠法3条と民法709条の使い分けについて解説しました。
ちょっと難しい話でしたが、自賠法3条をうまく使いこなすことで、加害者が無資力の場合でも車両保有者から賠償金を回収できるかもしれませんので、ぜひ参考にしてみてください。
無料相談の受付を再開しました(全国対応)
メールやLINEで無料相談
事務所にお越しいただくことなく、メールやLINEで無料相談が可能です。
メールやLINEでの無料相談を希望される方は、メール相談、LINE(いずれも24時間受付)から、自由にご相談内容を送ってください。
電話、Zoom、事務所での面談による無料相談
電話、Zoom、事務所での面談による無料相談を希望される方は、
お電話(054-689-7792)(平日の9時~17時30分受付)
予約ページ(24時間受付)
LINE(24時間受付)から予約をお願い致します。
予約ページ、LINEからご予約いただいた場合には、日程調整のご連絡をさせていただきます。
弁護士費用
保険会社等からの回収金額の11%+22万円(税込)
相談料と着手金は無料です。
交渉等が解決した後の完全後払いになります。
※訴訟等の手続に移行する場合には追加費用が発生します。
弁護士費用特約を使える場合には、補償上限額まで保険会社が弁護士費用を代わりに支払ってくれますので、ほとんどのケースで実質無料で交渉や裁判等を弁護士に依頼できます。
弁護士費用特約を利用しても、保険料は変わりませんので、可能な場合には利用することをお勧めします。
「弁護士費用特約を使えるか分からない」という場合には、弁護士が代わりに保険会社に確認することもできますので、お気軽にご相談ください。
保険代理店様からのご相談
当事務所では、交通事故被害者の方からだけではなく、保険代理店様からのご相談についても無料で対応しています。
これまでも全国の保険代理店様からご相談いただいた実績があります。
まずは、契約者様の代わりにご相談してみたいという保険代理店様も、LINE、電話、メールでお問い合わせください。
また、現在、当事務所と提携していただける保険代理店様を募集しています(無料)。
詳細はこちらのページをご参照ください。
よくある質問
Q静岡県以外の地域に住んでいるのですが、静岡県以外の地域からの相談・依頼は可能ですか?
静岡県以外の方からのご相談・ご依頼もお受けしております。当事務所へのご相談・ご依頼のうち半分程度が静岡県外の方からのものです。
電話、メール、LINE、zoomなど、ご希望の方法でご相談いただけます。また、ご依頼後も同様の方法で打ち合わせができますので、仮に、裁判になったとしても、事務所にお越しいただく必要はありません。
これまで、北海道、青森、福島、福井、富山、石川、東京、埼玉、群馬、栃木、千葉、神奈川、山梨、静岡、愛知、長野、岐阜、滋賀、京都、大阪、三重、奈良、兵庫、広島、島根、香川、宮崎、福岡、沖縄にお住まいの方からご相談・ご依頼いただいた実績がありますので(令和6年7月現在)、その他地域にお住まいの方もお気軽にご相談・ご依頼ください。
Qケガはなく、物損(車の修理費用など)の過失割合だけが問題になっているのですが、相談・依頼することはできますか?
物損だけの事故についてもご相談・ご依頼いただくことは可能です。
Q小さな事故で、特に保険会社との間で揉めていないのですが、弁護士に相談しても良いですか?
もちろん、問題ありません。
弁護士に依頼することで、小さなケガであっても示談金額が増額される可能性がありますし、保険会社との対応を全てお任せできるというメリットがありますのでお気軽にご相談ください。
Q他の弁護士に依頼しているのですが、変更して依頼はできますか?
現在、依頼している弁護士との契約を解除していただいたうえで、ご依頼いただくことになります。また、弁護士費用特約を利用している場合には、ご自身の保険会社に担当弁護士を変更したい旨を伝えて了承を得てください。
Q弁護士費用で費用倒れ(赤字)になることはありませんか?
Qどの段階から費用が発生しますか?
相談では一切費用は発生しません。弁護士との間で委任契約書を作成して、正式にご依頼いただいて、弁護士が交渉等の活動を開始した段階から費用が発生致します。
Q日中は仕事で忙しいので、弁護士事務所に行ったり、電話をしたりすることが難しいのですが・・・
ご依頼後の弁護士との連絡手段をメールやLINEにすることが可能です。
Q裁判まではしたくないのですが、交渉で示談することは可能ですか?
裁判まで行うか、交渉で示談をして終わらせるかは、依頼者の方が決めることになりますので、交渉での解説を希望される場合には、裁判にはなりません。なお、当事務所がこれまで扱ったケースでは、8割ほどが交渉で解決しています。
Q解決までには、どれくらいの時間が掛かりますか?
事案にもよりますが、交渉の場合、交渉開始から1ヶ月程度で示談して終わるケースが多いです。ただし、後遺障害の申請をしたり、過失割合に争いがあって実況見分調書等を取り寄せる場合には、プラス2、3月程度かかります。
また、裁判の場合は、早くても半年程度は掛かります。当事務所が過去に扱った裁判では、平均すると1年~2年で終わるケースが多いです。
Q弁護士に相談したら必ず依頼しなければいけないのでしょうか?
もちろん、相談だけで依頼しなくても問題ありません。むしろ、複数の弁護士に会って相談したうえで、最も信頼できる弁護士に依頼することをお勧めします。




