手首の痛みや動かしにくさが残っていた
Sさんは、事故によって手首を負傷し、手術や固定、リハビリを受けていました。
しかし、治療を続けても手首の痛みや動かしにくさが残り、日常生活や仕事の中でも不自由を感じる状態が続いていました。
治療中から、「この症状はきちんと補償の中で評価されるのか」「通院を続けていても、後で適切に認めてもらえるのか」といった不安があったようです。
症状が残っている実感がある一方で、それが後遺障害としてどう扱われるのかは分かりにくく、不安を抱えやすい状況だったといえます。
最初の認定は非該当だった
本件で大きかったのは、治療後も症状が残っていたにもかかわらず、最初の後遺障害認定が非該当だったことです。
後遺障害の認定では、単に「痛い」「動かしにくい」という訴えだけでは足りません。
事故による受傷内容、治療経過、画像所見、症状固定時の状態が資料上つながっていることが重要になります。
本件でも、骨折や靱帯損傷に関する所見、長期間の治療経過、症状固定後も残る痛みや可動域制限がありました。
それでも、最初の認定では、その症状が後遺障害として十分に評価されませんでした。
ご本人にとっては、「症状が残っているのに非該当なのか」と受け止めざるを得ない、納得しにくい状況だったと思います。
異議申立のために資料を整理し直した
そこで当事務所では、診療録や画像資料をあらためて収集・整理し、事故直後から症状固定までの流れを見直しました。
この事案では、手首の骨折や靱帯損傷、その後の固定やリハビリ、さらに症状固定後も残る痛みや動かしにくさが、それぞればらばらに存在しているだけでは不十分でした。
重要だったのは、それぞれの資料をつなげて、「なぜ現在の症状が事故による後遺障害といえるのか」を分かる形にすることです。
そのため、提携する協力医に意見書を作成してもらい、資料を補い、異議申立を行いました。
画像所見や治療経過を踏まえて症状の残存を補強したことが、認定の見直しを求めるうえで重要なポイントになりました。
異議申立の結果、12級13号が認定された
その結果、最初は非該当だった後遺障害について、異議申立により12級13号が認定されました。
後遺障害の認定が変わると、その後の賠償交渉にも影響します。
本件でも、後遺障害が正式に認定されたことが、その後の解決につながりました。
非該当でも、そこで終わりとは限らない
この事例から分かるのは、最初に非該当とされたからといって、直ちにそれで終わりとは限らないということです。
もちろん、異議申立をすれば必ず結果が変わるわけではありません。
ただ、最初の認定で十分に伝わっていない資料や説明がある場合には、診療経過や画像所見を整理し直すことで、見直しの余地が生まれることがあります。
とくに、痛みや動かしにくさが残っているのに非該当となった場合は、「症状があるかどうか」だけでなく、「その症状を資料上どう示せているか」を確認することが重要です。
本件は、その違いが結果に影響しうることを示す事例といえます。事案固有の結果を一般化しすぎないことには注意が必要ですが、少なくとも、非該当という結果だけで諦める前に、資料の中身を見直す意味はあるといえます。
後遺障害が非該当で不安な方へ
後遺障害が非該当になると、「症状が残っていても認められないのか」「もう手続をしても変わらないのではないか」と感じる方は少なくありません。
ですが、非該当という結果が出たあとでも、診断書だけで終わらせず、診療録、画像、治療経過をあらためて確認することで、異議申立を検討できる場合があります。
大切なのは、残っている症状を、後遺障害として評価される形で整理できるかどうかです。
当事務所では、交通事故の後遺障害について、認定結果に疑問がある場合のご相談もお受けしています。
非該当の結果に納得できないときは、結論だけを見るのではなく、まずは資料の内容を整理することが出発点になります。
この事件を担当した弁護士
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