兵庫県神戸市にお住まいのMさんからのご依頼でした。

駐車場の通路を前の車に続いて進行していたところ、前の車が停止したため、Mさんも停止しました。

すると前の車が大きく後退しながら駐車動作を始めました。

そのため、前の車の後方がMさん車の右フロントに衝突してしまったという事故です。

相手方保険会社は、別冊判例タイムズ38に掲載されている【336】図を元に、Mさんの過失が80%と主張してきました。

そのため、当事務所に交渉のご依頼となりました。

本件では、双方ドラレコがありませんでした。そのため、この事故現場であるスーパーに問合せをして、防犯カメラ映像を保存してもらいました。
そのうえで、弁護士会照会という手続をつかって、防犯カメラ映像を入手しました(普通にお願いをしても開示しれくれないことが多いです。)。

すると、防犯カメラには、Mさんの車が十分な車間距離を確保して停止していること、また前の車が1区画飛ばして大きく後退しながら駐車している様子が映っていました。

そこで、この映像を元に交渉をして、最終的には、Mさんの過失0%での示談となりました。

駐車区画に停めようとしている車と通路にいる車との事故の場合、保険会社は、判例タイムズの【336】図を理由に、通路にいる車の過失を80%と主張してくることがあります。
しかし、通路にいる車が停止していた場合は、必ずしも判例タイムズの割合となるわけではありませんので注意してください。

 

 

この事件を担当した弁護士

静岡城南法律事務所

山形祐生(やまがたゆうき)

静岡県 登録番号:44537

静岡県交通事故相談所の顧問弁護士(静岡県知事の委嘱による)。
弁護士としては珍しく、特に過失割合の問題に強い。保険会社が提示する過失割合に納得のいかない被害者からの依頼が多い。静岡県外からの相談・依頼も多く、一人で年間120件以上の交通事故案件を手掛けている。

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