神奈川県にお住まいのKさんからのご依頼でした。

事故状況は、つぎのとおりです。
Kさんが幹線道路の第3車線を走行し、相手方が第2車線を走行していました。
路側帯を走行していた自転車が第1車線の前方にあった停止車両を避けるために第1車線の右側へ進路を変更してきたため、これを避けようとして相手方が第2車線から第3車線へ突然進路変更したことでKさんの車両と衝突したという事故です。
相手方の車両が進路変更をしてKさんの車両と衝突した時の位置関係は、相手方がやや先行か両車両の並走状態でした。

交渉段階では、相手方はウインカーを出さずに進路変更したということで10:90での解決を提案してきていました。
また、相手方は、自転車を回避するために進路変更したのであり、不注意の程度は低いという主張もしていました。

本ケースでは、どちらの車両にもドライブレコーダーがあり、車両の位置関係などの事実関係に認識の違いはありませんでした。
本ケースと類似した裁判例として福岡地判平成26年6月19日があります。
こちらの裁判例では、第1車線を走行していた車両が第2車線へ進路変更しようとしたため、並走していた第2車線の車両が第3車線へ進入してしまい、第3車線の走行車両と衝突してしまいました。
こちらの裁判例でも、第3車線走行車両の過失は認定されませんでした。
そこで、相手方が衝突を回避するために進路変更をした結果として事故が起きてしまったとしてもそのことは過失割合に影響せず、Kさんが相手方の突然の進路変更を避けることはできないことの根拠としてこちらの裁判例を提出して、Kさんの無過失を主張しました。
その結果、0:100での示談をすることができました。

この事件を担当した弁護士

静岡城南法律事務所

德田匡輝(とくだまさてる)

静岡県 登録番号:64322

日本交通法学会所属。弁護士としては珍しく、特に過失割合の問題に強い。駐車場事故、車線変更、交差点での事故など、保険会社が提示する過失割合に納得のいかない被害者からの依頼が多い。最近では、口コミを聞いた静岡県外からの相談・依頼も増えている。

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